2013年4月28日日曜日

ヘッジファンドの日本株担当者に質問をしてみた



先日、前職の先輩から貴重な話を聞く機会があった。
数年前にアメリカのヘッジファンドに転職をし、現在もアメリカ在住。
日本株の運用担当で、企業訪問のために一時帰国した際に話す機会があった。

せっかくの機会なので、いくつか質問をしてみた。

そもそも、秘密のヴェールに包まれていそうな響きのある、ヘッジファンドとはなんなのか?

諸説あるけれど、投資信託等との一番の違いは、
市場インデックスを上回るリターンを目指すところ。
一口にヘッジファンドと言っても、
投資対象も、株、債権、コモディティ、為替等、多岐にわたり、また運用手法も様々なので、
「ヘッジファンドが~~」というようなひとまとめにしたような表現はあまり意味がない。
大事なのは、そのファンドがどういうスタイルで何に投資をしているかだ。

日本株運用ということだが、何か特殊なテクニックを使っているのか?

特に難しいデリバティブを駆使しているというわけではない。
基本的には銘柄を幾つかに絞って、「買い」か「売り」のストーリーを考え、分析し、
それが正しかろうと判断されるものに投資していく。

例えば、非常にシンプルに言うと、
今の株価に織り込まれている以上にトヨタの業績が良くなる、
と考えられるのであれば、トヨタの株を買っておく。
四半期決算で株価が上下に振れたりもするが、大局的に見て上方トレンドであれば、
ストーリーが正しいとみてさらに株価が上がるまで持ち続ける、といったもの。

当たり前のことを独自の情報網や分析に基づいてやること、に価値がある。
例えば、TPPで米国は自動車産業を聖域とみているが、
これが近い将来に緩和されるとみて日本からの輸出が更に増えるのでトヨタ株が上がる、
というような市場の主流とは異なるストーリーを考えたりする。

個人投資家へのアドバイスがあれば教えて欲しい。

ヘッジファンドを含め、プロの投資家は運用規模が大きいので投資できる銘柄が限られる。
例えば、一日に10億円以上の出来高がない株には投資できないルールがあったりする。
あとは現金として持ち続けることができない。
今のような強気市場でも何かに投資する必要がある。タイミングを選びづらい。

これとは逆に、個人投資家はなんでもできることが強みだ。
銘柄もタイミングも自由に選べる。だからストーリーも自由に考えられる。
もちろん、証券会社の担当者が毎朝レポートを送ってきてくれたりすることはないし、
投資先として興味のある企業の社長と面談ができたりするわけでもないけれど、
何にも強制されずに自由に投資できるところが個人投資家の一番の強みだ。
だからそれを活かして投資をしたほうが良い。

また、個人投資家ではないけれども、
やはり本当はバフェットみたいな投資スタイルが最強だと思う。
不況で株価が安いときに良い企業の株を買っていれば間違いはない。
ただし、普通はそこまで買うタイミングを待てないし、また不況のときに買うことも難しい。

というような話を聞くことができて非常に参考になった。
特に最後の個人投資家の強みはピーター・リンチの本の話と重なる部分が多い。
一番の収穫は、やはり「良い会社の株を安く買う」という当たり前のことが重要だと分かったこと。


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